そこでこの記事では、その違和感を無くすために追加で3つのコードを紹介します。
目次
3つの追加コードを覚えるだけで暗さ・不安定さを表現できる
C, F, Gそれぞれに紐づく不安定さや暗さを表現するコードを3つ紹介します。音階 | 基本コード | 派生コード(暗い・不安定) |
ド |
C |
Am |
レ |
Em7 |
|
ミ |
C |
Am |
ファ |
F |
Dm |
ソ |
G |
Em7 |
ラ |
F |
Dm |
シ |
G |
Em7 |
ド(+1) |
C |
Am |
- Cに不安定感を出したいとき →Am
- Fに不安定感を出したいとき →Dm
- Gに不安定感を出したいとき →Em7
Emだけ7が付いている・・・?
Gの不安定コードは本来、他の不安定コードと同様にマイナーのmを付けたEmです。ですが、実はEmはなかなか特殊なコードで取り扱いが難しいです。特にメロディーがレのときに重ねるGコードを、安易にEmに置き換えても、不安定感を出す以前にGの代わりとしての働きを失ってしまうケースが多々あります。
そこで、EmをEm7にすることで、そのような例外ケースをある程度カバーしてくれるようになります。
そのため、Gで不安定感を出したいときの追加コードはEm7として覚えてしまいます。
♪NOTE♪
Emが特殊な理由ですが、Emの構成音の中にはGには存在している「レ」の音がありません。
さらに、今まで紹介してきたメロディーとコードの対応の関係性の一つに「コードは対応しているメロディーを構成音の中に含む」というものがありました。
つまり、「レ」のメロディーのときに、Gの代わりにEmを使おうとすると、Emが「レ」を構成音に含められず、うまく代わりになれないのです。
Emの雰囲気を損なわず、かつ「レ」を構成音に持つEm7がGの代理として多くのケースに使えます。
不安定コードの置き換え方
C,F,Gだけで構成されたコード進行に、今回3つの不安定コード Am, Dm, Em7を取り入れていきます。冒頭に紹介した記事のルールに加え、これら合計6つのコードを覚えて、不安定コードの置き換え方を押さえれば、ほとんどの曲を違和感なく、自分でコードを付けて弾き語りすることができます。
「ちょうちょ」を例にいろいろアレンジしてみます。
そのまま置き換える
まず文字通り、そのまま置き換える方法があります。以下の進行は、最初は明るい印象ですが、菜の葉になかなか止まってくれないのか、後半から悲しい感じがしますね・・・ 思い切って全部置き換えるのもありですが、ここまで極端にやるとおふざけな感じが出てきますね。一部差し込む
部分的に不安定コードを差し込むこともできます。 FとGの不安定コードはそれぞれDmとEm7です。そのまま置き換えるのではなく、その小節内で2つ登場させます。このとき、Fの小節部分を4回弾いていた場合、Fを2回、Dmを2回に分けて弾いたり、Fを3回、最後の一回だけDmにしたり、
ここまでこれば、残りのアレンジは自由です。
C,F,Gだけで弾いてみる→違和感あればAm,Dm,Em7に置き換えてみる
お気に入りの曲(J-POPや洋楽)をC,F,Gの3つのコードだけで弾くと、違和感を感じるという話からはじまり、不安定コードを紹介しました。童謡と違って、現代の流行り曲の原曲は、独特なニュアンスや雰囲気を表現するためにマニアックなコードやコード進行が取り入れられています。そのため、C,F,Gだけで弾き語るをしようとすると強烈な違和感を感じます。
ただ、私自身いろいろと試行錯誤した末、J-POPだろうが洋楽だろうが、C,F,Gがコード進行の基礎になることは変わりないと感じてます。
なので、まずはC,F,Gを弾く、それで違和感があればAm,Dm,Em7に置き換えてみる。
を試してみてください。
まとめ
冒頭で紹介した記事と、この記事の2つをまとめると以下になります。- C,F,Gの3つがコード進行の基礎であり土台になる。
- C,F,Gの有名な派生コードとしてAm,Dm,
EmEm7がある。
ここまで来れば、弾き語り用のコード譜がなくても自分でウクレレの弾き語りを独自でアレンジしたりより楽しむことができるようになると思います。
この次に手を伸ばすとすれば、
- 音楽理論に基づいてコード進行の知識を深める
- 曲のニュアンスや雰囲気をもっと細かく表現するためにマニアックなコードを覚えていく
また「メロディーに対応したコードを重ねて弾く」という大原則のもとでコードを紹介してきましたが、原曲を聞いてみるとそのルールに沿っていない曲も存在します。
紹介してきたルールに沿うと違和感なく歌えるはずなのですが、ルールに沿っていない原曲が頭に刷り込まれていて、その違いからどうしても違和感を感じてしまうことがあります。
そのような曲の原曲を完全に再現したい場合、そのコード譜を買ったり、コード進行の耳コピをする必要がなります。
(コード進行の耳コピ:原曲を聞いて、使われているコード進行を割り出すこと)
(私はできませんが)耳コピは相当ハイレベルなスキルになるので、それを習得するのも弾き語りを極める上では一つの方法です。
(補足)そもそもダイアトニックコードって・・?
ここまで書いて今更ですが、タイトルにある「ダイアトニックコード」について紹介します。ダイアトニックコードとは、あるメロディーがあったときにそのメロディーと相性がいいコードの集まりのことです。
なぜ相性がいいのかというと、メロディーで使われうる音(ドレミファソラシド♪)だけを使って和音を作るからです。(これ以上は「ヒトが相性がいいように感じるから」としか言えませんが・・・
そしてメロディーには必ず「キー」があります。キーは音楽の世界に12種類存在していて、メロディーはどれかのキーを持ちます。
このキーが変わるとメロディーで使われるドレミファソラシドも変わってきます。
例えば、以下のドレミを聞いてください。 一方で以下のドレミを聞いてください。 2つ目のほうが、音が高いですよね。カラオケで、1つ目を原曲キーとしたら2つ目はキー+1です。
メロディーが持つ「キー」というのは、このカラオケのキーと同じです。
1つ目のドレミは、正真正銘のドレミファソラシドですが、2つ目のドレミは嘘をついていて、本当はド#レ#ファファ#ソ#ラ#ドド#です。
聞いてもらったら分かる通り、キーが半音上がっているので、半音上げた表記になっています。
音楽の世界では、正真正銘のドレミのキーをキー=Cと決めています。そこから半音上がった2つ目のドレミのキーはC#と呼びます。
キー=Cのダイアトニックコードは、正真正銘のドレミファソラシの7つの音の中だけで作ったコードの集まりです。
ドから一つずつ飛ばしで和音を作って、ド・ミ・ソを弾けばおなじみのCコードですし、レ・ファ・ラを弾けばDmコードです。
同じ要領で和音を作っていくと、C, Dm, Em, F, G, Am, Bm(♭5)が出来上がります。
これが、キーCのダイアトニックコードになります。
キーC#のダイアトニックコードも、同じ要領でド#レ#ファファ#ソ#ラ#ドド#の中から和音を作ればキーC#のダイアトニックコードが出来上がります。
Bm(♭5)はどこいったの?という疑問を持ったあなた。
キーCのダイアトニックコードの中でもBm(♭5)は特殊な位置づけになるので、ダイアトニックコードをウクレレで実用する面では、一旦無視しても構いません。
理由や理論が気になる方、「ダイアトニックコード」でいろいろ調べてみてください。